牧師エッセイ・「思いがけないプレゼント」


「思いがけないプレゼント」

 35名からなる混声合唱グループが、私ひとりのために「ねがい」という歌を歌ってくれました。会堂を利用されたお礼と、高校生の皆さんが心を込めて。東日本大震災をテーマにした曲で、被災地を回って歌われたものだそうです。胸に迫るような歌声を聴いていて、涙が出そうになりました。初めて聴く曲でしたが、いくつかの歌詞が印象的に、私の心に残されました。「笑顔になりますように、幸せになりますように、お願いをしよう、お祈りをしよう」という言葉でした。私ひとりで聴くのはもったいない、素敵な歌のプレゼントでした。歌のお返しにその場で、皆さんの努力の成果が出せますように祈りました。

 どうしてそんなチャンスに巡り合えたのか、その経緯をお話しましょう。今から二月程前に、旅行代理店から電話がかかってきました。鹿児島で全国合唱コンクールが開かれるので、練習に会堂を使わして欲しいと言う依頼でした。紹介者が知り合いであり役員会には後で承諾をしていただけると、直ぐに了承しました。コンクール前日金曜と当日土曜の朝早くから、鹿児島教会の会堂が使われることになりました。

 土曜日のコンクールなら時間の都合がつけて、聴きに行こうと思いました。しかし、チケット入手はインターネット販売で、既に完売とのことでした。直前に世話をされる旅行代理店から、コンクールのプログラムをいただき、学校の情報を知りました。岩手県立不来方(こずかた)高校で合唱の名門校と知りました。金曜日朝6時前に来られ、高校生の男女35名を先生から紹介され、課題曲はヨハネ福音書6章48~50節から取られたラテン語の歌詞だそうです。その聖書箇所について、話をして欲しいと頼まれました。皆さんを歓迎する言葉を述べ、御言葉から短く話しました。

 土曜日朝8時過ぎまで練習され、皆さんコンクルール会場に向かわれました。1番目にステージに上がり、9時50分に演奏されました。その時間に祈りますと申し上げましたら、午後2時頃電話があり混声合唱部門で金賞を、総合2位の鹿児島県知事賞も受賞と伺い、お祝いを申し上げました。会堂を練習会場に使ってもらって、嬉しくなりました。そんな訳で、私ひとりのために35名の高校生が、歌ってくれる豊かな恵みに与りました。数日前にその高校の先生と学生さんから礼状をいただきました。おめでとうございました。

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