『椅子ならべ』

クレヨン牧師のミニエッセイ

『椅子ならべ』

 「教会の椅子をきちんと並べることが牧師の仕事」と、先輩の牧師に教えられました。その言葉を聞いて六年がたちます。まだ神学生だった私にはピンとこず、もっと大切なことがあると思っていました。牧師と召されて五年目を迎える頃になって、あの牧師の言葉がずっしり響いてくるのです。
 
  教会の椅子は礼拝が終ると乱れます。そのままにしてお茶を飲んでから並べればいいのですが、いつ誰がそこでお祈りされるかわかりません。神様にお祈りするとき椅子が乱れていたらどうでしょうか。初めて教会にきてそのとき椅子が乱れていたらどうでしょうか。そこに神聖さを感じるでしょうか。やっとそのことに気づきました。教会の椅子を並べることは、いつ誰が来られても神様と出会えるように配慮することだといえます。皆さんが日曜礼拝から帰られたあと、きちんと並んだ椅子に座り祈ります。静けさとともに、牧師だけが味わう喜びがあるのです。

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