牧師エッセイ・「イチロウのmotivation=動機づけ」


「イチロウのmotivation=動機づけ」

 イチロウ選手が9月末に週間MVPを受賞した。9月4週目の成績は、打率6割、ホームラン2本、打点5、得点7、盗塁6だった。彼のコメントがふるっていた、「このタイミングは熱いですね。(4度目の受賞に)すごいね。オールスターより難しいんだね。毎週チャンスがあるのにね。」マリナーズからヤンキースに移って、それまでと違う活躍をみせる。その理由はどこにあるのだろうか?

 私はイチロウのモティベーション(動機づけ)が、素直に高められたのではないかと思っている。チームが変わり、役割も変わった。それまでマリナーズ時代は、一番・右翼が固定されていた。ヤンキースでは打線の兼ね合いから、守備位置が変わり、打順も2番や下位であったりする。素晴らしい選手ばかりのチームだから、時に先発から外れることもある。それでも高い集中力を、保ち続けるのはさすがだ。

 かつてのマリナーズではシリーズ後半になると、優勝戦線から早々と離脱していた。おそらくモティベーションを持ち続ける工夫を、独自にしていたのだろう。ヤンキースではその必要がなく、常に集中力を持てる状況にあるそうだ。経験豊富な素晴らしい選手たちに囲まれ、マスメディアから注目を浴び続けるヤンキースならではだろうか。オールスター前に自らお膳立てをした移籍、どうやらいい決断であった。

 何をするにもモティベーションは大切なものと思う。人生常にその動機づけが上手く持ち続けられるなら申し分ない。では牧師にとってのモティベーションとは、何を言うのだろうか。よく言われるのは召命感で、神学生の頃はしばしば聞かれ、その度毎に確認をしてきた。果たして牧師とされてから、あなたの召命感を聞かせてください、と言われたことはない。本を読んだり、誰かと話したりして、気づきをいただいてきた。私が御言葉から気づかされたものは、ヨハネ18:16「あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだ。」
ルターは召命を教職に限定せず、一人ひとりが神からの使命を受けていると語った。世の中で従事する職業も、神から受けた使命であると言った。

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